スレイヴ パソコン音痴のカメイ課長が電脳作家になる物語 [ 畑仲哲雄 ]

パソコン音痴のカメイ課長が電脳作家になる物語 畑仲哲雄 スタジオポットスレイヴ ハタナカ,テツオ 発行年月:1998年08月21日 予約締切日:1998年08月14日 ページ数:224p サイズ:単行本 ISBN:9784939015144 大阪の中小企業で、課長になったばかりの亀井遠士郎は郊外に家を新築したのだが、妻と娘の反対で、書斎を持つことを許されなかった。

このため亀井は、部下の薦めで手のひらに乗る小さなパソコンを買った。

それを書斎にしようというのだ。

亀井が書斎を持とうとしていたのは、マスコミで活躍している大学時代の同級生・ジェリィ平賀をギャフンと言わせる、本質的で普遍的な何かを書くためだった。

小さなマシンは亀井の生活に弾みを付けた。

そいつを使って、亀井は電脳回廊を駆け回り、GNUやグーテンベルグ計画などを知り、だれもが情報の奴隷になっている現状に気付いていく。

息つく間もないストーリー。

まるでRPGのキャラのように、亀井はコンピューターから経済、生物学、ジャーナリズム、文学、法律、歴史、哲学、思想という各種アイテムでパワーアップされてゆく。

抱腹絶倒のコメディ、怒涛のカンフーアクション、疑惑と裏切りのサスペンス、耽美なロマンス、美しい家族愛…。

あらゆる要素を凝縮した深い内容と、最後に待ちかまえる大ドンデン返し!『ソフィーの世界』より勉強になり、『百年の孤独』ほど難解でなく、『アルジャーノンに花束を』より涙を誘い、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』より切なく、『人間失格』より元気が出る。

小説のスタイルを取りつつ、面白くてタメになる現代人必読の文明批評と言えよう。

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